シャーレンブレン物語 癒し姫の結婚 (ルルル文庫)

12月後半は、 <早口>毎年恒例仕事超忙しい期間で更新の見込みはほぼない </早口> ため、体力が残っているうちにガツガツ更新行きます。
というわけで、シャーレンブレン物語の2巻です。超プッシュですよー!!
前にちょこっと書きましたが、あらすじ。
幼い頃に1ヶ月だけ一緒に遊んだ「お姫様」にもう一度会いたくて、神殿医(見習い)になったミナワ。しかし、いざ姫に再会してみると、なんと病弱で可憐だった姫は実は男でー!?
うーん、私、あらすじ書くの苦手だ…。
一生懸命神殿医見習いをしながら「癒し姫」ユリウスの従者もつとめ(させ)られているミナワの受難物語、と書くのが一番しっくり来る気がします。
一応ミナワの周りには超絶美形の「癒し姫」のユリウスとか、お兄ちゃんみたいな癒し姫の護衛役のアレクシオ(王子)とか、無口な密偵のキオとか、どこの乙女ゲーム?ってくらいにいい男(少年)が揃ってるんですが、ミナワが常にいじられて遊ばれているので、甘い気配皆無。
そもそもミナワからして、ユリウスへの忠誠心は別次元としても、多分彼女の中での心情の比率が仕事>>>(省略)>>恋くらいだと思われます。特に1巻は。
何がいいって、登場人物の中に一人も「特殊な力」を持っている人間がいないこと。少女向けのFTなのに、魔法使いも巫女も特殊な力を持った姫も出てこない。
かつては「癒しの力」を持っていた癒し姫の子孫であるユリウスにも、その力は全く受け継がれていません。ミナワも優秀な医者の卵ですが、それは本人の努力のたまものであって、超人的な力は持っていません。後ろ盾もないので、「取るに足らない」癒し姫の従者なんですね。
だけど皆、身の丈にあった頑張り方をしている。
で、話がテンポよくて面白いんですよ。
1巻では、ミナワは「癒し姫に会う」という目的で医師になり、夢を叶えたその後で、「医師になって、自分の足でしっかり立って、ユリウスの役に立ちたい」という新しい目的を見つけました。
ユリウスはユリウスで「力」を持たない、制約が多くて自由に動けない自分の存在意義を見出そうと頑張っていました。
ミナワの夢を茶化しながらもありがとうと受け入れるシーンとか、もう、恋愛要素がほとんど感じられなくても充分です面白かったですと思っていたのに、そこに2巻です。
続き物を期待していない作品で2巻目が来ると、「あ、またあの子達に会えるんだ嬉しいな」と思うことがあります。そう思った作品は、大体私の中では殿堂入りクラスのお気に入りになることが多いです。
で、2巻ですよ。
正直に言おう、悶えた。
以下大変頭の悪い暴走文です。心の準備はOKですか?
ネタバレ
指きりひとつで床を転げまわれるもんだとは思わなかった。恐ろしい…。
表紙に女の子がいて、「もしかして当て馬? そういう展開は嫌だなあ」と思ったら、予想外の方向に暴走していく(兄妹的な意味で)アレクシオお兄様大好きな女の子だったので噴出しました。
ミナワの心労の種(それも特大級)がひとつ増え、彼女はますます周囲に振り回されまくりです。
このフォルティシア嬢、思い込んだら一直線だわ気持ちの切り替えは異様に早いわ行動力はとんでもないわで、歩くトラブルの塊みたいな子なんですが、ここまで突き抜けているといっそ爽快でした。
終盤でミナワと一緒にあるトラブルに巻き込まれるのですが、そこでミナワの力にちゃんとなっているし、怖いなりに一生懸命頑張っているしで、なかなかいい肝っ玉と根性と度胸の持ち主。大変輝いていらっしゃいました。
あと、地を出したイシルが大変ツボでした。最近、二枚目のキザなのに本命に対する態度が明らかにおかしくなるキャラに立て続けにツボを押されている気がします。
1回きりのゲストキャラなのかなあ。個人的にはフォルティと彼には再登場して欲しいなーと思ったり。
剣の腕は立つみたいだし、馬鹿でもなさそうだし、こういうキャラが真剣にミナワに惚れちゃったりしても面白いんじゃないかと思いました。そして最後にはきっぱり振られていただきたい(鬼)
一回本気の恋に破れると一気にいい男化しそうな予感。自分で言っていて意味がわかりませんが。
ユリウスとミナワの間には相変わらず恋愛の気配はない…と思っていたら、どうやらそうでもない模様。ユリウス側からの、あるかなきかのかすかなフラグっぽいものがちらほらかいま見えるのですが、これがまた悶える悶える。
ミナワがイシルにちょっかいかけられていることを知って、不機嫌になったり、ミナワの涙をぬぐったり、指きりしてからネタ晴らししたり、最後にミナワをかばったり。
些細なことだし、多分ユリウスも無意識にやっちゃってるんでしょうけど、いやー、にやにやが止まりませんでした。
最後にミナワを庇うところとか、本来はミナワを盾にしてでも生き延びないといけないんですよね、ユリウスは。
だから(アレクシオの防御が間に合うと判断したのだとしても)ミナワが飛び出していくところを止めるべきではないし、庇うなんて言語道断なわけですよ。
だけどミナワは1巻時点で1回自分と間違われてさらわれちゃって、2巻途中でユリウスを守ろうとして殴られ、さらにもう一回さらわれて濡れ衣をかぶせられた上にまた怪我をして――、なんかこー、何度も何度も自分のいないところでミナワが危ない目にあいまくってるので、「今度こそ自分の目の届くところで守りたい」って思っちゃったんじゃないかなあとか、やっぱ男の子なんだなあとか想像して、もだもだしました。
アレクシオは親友だけど、「王子」という肩書きがあってユリウスの護衛をつとめている、キオも詳しいことは分かりませんけど、多分自発的にユリウスの下に来たわけじゃない。
ミナワは、何の義務もないのに、幼い頃の(ユリウスにとっても大切な)思い出だけを持って、自発的に「癒し姫」のところに這い上がってきてくれた、初めての人間なんですよね。
いきなりおもちゃにして遊んではいますが(笑)、ずっと待ってたみたいですし、本当に来てくれた時は嬉しかっただろうし、さらに役に立ちたいって思ってもらえてて、二心無く慕ってもらえてるのも分かれば、そらたまらんだろう。大事にしたくもなるよなあ。
んでまた、ミナワが仕事にもど真剣に打ち込むので、自分なりのやり方で危難を乗り越えていくんですよね。彼女の度胸は間違いなく作品一です。かっこいいなあって思う。
ミナワの方もちょーーーーっとだけ、忠誠心とか思慕とか以外の感情も芽生えかけてるみたいで、いろんな意味で先が楽しみです。